今マイクを持っているのはだれですか?
『話を聞いてもらえた』という感覚は楽しいコミュニケーションにおいて何よりも重要である。もしも、その感覚がないと一緒に話しているのに『会話』ではないと感じる。満たされない気持ちになる。さらには人といるのにさみしく感じることだろう。『話を聞く』こと自体が相手の存在を認めることでもあるからだ。
自分の言葉に対して『相手が主語』の言葉で返される。よくあることだがこの時自分の言葉を相手はキャッチしていないのである。コミュニケーションはしばしばキャッチボールに例えられる。この場合自分の投げたボールを相手がキャッチする前に相手は自分のボールをこちらに投げている。
以下のようなケースを例に挙げる。
A「こないだここのお店行ったんだよね」
B「(私は)忙しくて外出できないや」
この形だとキャッチボールにはなっていない。Aはなんとなく満たされない気持ちになるだろう。
A「こないだここのお店行ったんだよね」
B「おいしそうだね。時間できたら私も行きたい」
こう変化させることで相手の言葉を一度受け止め、さらに表現も柔らかくできている。
スムーズな会話には相手の言葉をキャッチして返すというプロセスが必要である。唯一の正解はない。このプロセスを経ずとも楽しめる関係の人もいるだろう。その上で、くく会話はマイクのようなものと考える。誰かがマイクを持っているときはかぶせてはいけないし、マイクを取り上げてもいけない。