健全なアドバイスを考える

私は人の話を聞くのが好きだ。それは勉強好きからくるものだと思っている。人の経験というものは目に見えない教科書のようなもの。しかし話を聞く機会が増えるにつれふと不安なことも出てきた。

 

今回は私が不安を感じる『アドバイス』について書いていく。

 

 

『アドバイス』になってしまう不安

私は『アドバイス』という言葉が苦手だ。だが、私の何気ない言葉に対して「なぎささんは丁寧にアドバイスしますね」とよく言われる。もちろん周りはいい意味で言ってくれている。だが、私自身は話を整理したり確認したりしているだけなので不安になる。それに対し「相手が救われてるならいいじゃない」とも言ってくれる人がいる。それでも独りよがりなことを言っていないか心配になってしまうのだ。

 

二種類のアドバイス

アドバイスには二種類あると考える。『人の心の中に土足で入ってきてかき乱す』だけの不健全なアドバイス。一方、アドバイスをもとに本人が納得できる決断にたどり着いたというような健全なアドバイス。前者と後者のアドバイスの違いは『相手を尊重しているか、否か』である。前者は相手を尊重しないがゆえに攻撃的になってしまうこともしばしばある。後者の肝は『相手が納得できる』という点だ。これは本人に委ねるほかないが、本人の悩みの本質をともに探るということが必要である。これが『尊重』だ。自分を尊重しない相手に自分の中身はさらけ出さない。

 

尊重そしてやっぱり尊重

相手を尊重するといってもそれは難しいものだ。毎度相手に「偉そうでしたか?」と確認していては気遣わせてしまう。私が気を付けていることは『受け止めること』である。相手の言葉に対していきなり否定しない。納得できなくてもまず「なるほど」と。それが互いを尊重することにつながる。

 

お互いに話せる空気を作り引き出し一緒に整理していく。そして出たいくつかの結論、手段の使い道は本人に任せる。私は最後に必ず「応援しています」の一言を添えて締めくくる。どんな方法で、どんな結果になっても応援している人がいることが支えになると、私は経験上感じるから。